新医協 第78回総会・全国研究集会

2025年11月29日㊏30日㊐

東京労働会館 + オンラインZoom

11月29日(土)13:30~16:30  7階ラパスホール+Zoom

体内・睡眠・覚醒のリズムとぼんやり時間

生命誕生と生物共生進化の歴史から、体内リズム、睡眠・覚醒リズム、日常的な生活習慣を俯瞰する

 地球誕生から約10 億年後に誕生した生命体から引き継がれてきた私たちの生体リズム(睡眠・覚醒リズム、摂食や身体運動など)は、37 兆個といわれる細胞が相互コミュニケーションにより安定した調節がされています。昼夜を問わない不規則な生活を送っている現代は、多くの人が体内リズムの歪みによるストレスを抱えることになり、「適応範囲」を逸脱してきています。
 一般社会ではまだこの事態を軽視する傾向がみられ、結果的に社会問題、健康問題を拡大させています。現状を打破し、根本的な解決を目指すためには上記の問題を放置しない活動に加えて、健やかな私たちの生活を確保することが基本的人権の一つであることを改めて再認識する必要があるでしょう。

杉田 義郎 (すぎた よしろう)
大阪大学名誉教授/精神科医師

1948年大阪市生まれ。73年大阪大学医学部卒業。同年より大阪大学医学部附属病院で研修。78年大阪大学医学部精神科助手を経て、96年より大阪大学健康体育部教授。97年大阪大学健康体育部保健センター長兼務、2004年大阪大学保健センター長兼務、05年大阪大学保健センター教授、06年大阪大学医学部附属病院睡眠医療センター 副センター長兼務、13年大阪大学名誉教授、他、現在に至る。

<専門分野>精神医学、睡眠医学、臨床時間生物学 <所属学会>日本睡眠学会、日本スポーツ精神医学会(評議員)、日本時間生物学会、日本臨床神経生理学会、日本精神神経学会、日本脂質栄養学会、全国大学メンタルヘルス学会 <著書>「こころと眠りの健康 心の医学新書」メディカルレビュー社デジタル編集企画部、2006

脳内の2つのネットワークの効果
 ~ぼーっとすることの意義~

 脳内の神経細胞ネットワークには脳をonの状態にする「中央実行ネットワーク」とoffの状態にする「デフォルトモードネットワーク」、二つの間の切り替えを行う顕著性ネットワークがある。デフォルトモードネットワークはoff状態を作るのではあるが、さらに「自己認識に関わる思考の流れを作る」機能をもつ。「忙しく仕事をし続けるとき、ふと我に返る」瞬間は誰しも経験するところである。今回はデフォルトモードネットワークの実践的意義について述べる。

今田 隆一 (こんだ りゅういち)
新医協会長/(公財)宮城厚生協会 坂総合クリニック宮城県認知症疾患医療センター長/日本脳神経外科学会認定専門医

<書籍>
「認知症が気になるあなたへ」新日本出版社
<医学評論>
対話型医療の試み ―認知症へのケアを通じて―
認知症をめぐる様々な問題と今後の方向性について
住民本位の復旧・復興を-健康で安心して住み続けられるまちを目指して-
<母と子の健康>(一般財団法人東京保健会 発行)
高齢者とこどもをつなぐもの 認知機能をめぐって
脳の健康つくりは一生涯 高齢者とこどもをつなぐもの 認知機能をめぐって(2)
言語について 高齢者とこどもをつなぐもの 認知機能をめぐって(3)

11月30日(日)10:00~12:00  7階ラパスホール+Zoom

子ども一人一人の個性の拡がりをいかに保育・教育に活かすか
〜 インクルーシブ教育への道すじと課題 〜

 発達障害と診断される子どもが増加の一途をたどる背景をどのように考えればいいでしょうか。その一端は、学校教育にあります。学校で、教師から「発達障害かどうか診断してもらってきてほしい」と言われて来院する子どもが皆様の診療所にも多くいるのではないでしょうか。今回の講演では、なぜ学校で子どもたちが発達障害を疑われてしまうのか、その背景を探りたいと思います。

小国 喜弘 (こくに よしひろ)
東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻(基礎教育学コース) 教授

11月30日(日)13:30~16:30  7階ラパスホール+Zoom

分けない ― 共に育つ保育と教育

 障害を持った子がみんなと一緒の学級で育とうとすると「発達保障のための、特別支援学級があるのでそちらに」と、分ける誘導がかかります。国連の障害者権利委員会は、日本政府に対して「障害のあるすべての子どもたちの通常学校へのアクセスを確保し在籍を拒否することを許さない」と勧告した。とはいえ圧倒的な教員不足と長時間勤務( 世界平均の1.5 倍) で40 人の学級を運営している現状で一人ひとりにあわせた支援( 合理的配慮) は可能なのでしょうか。
 この困難を乗り越えようとそれぞれの現場で奮闘する5氏に、インクルーシブの大河に向けてどのような流れを作るかを話し合います。


基調講演
共に育つ環境を作るあゆみ
〜障がい児保育の支援を行政から獲得するまで

岩倉 政城 (いわくら まさき)
尚絅学院大学名誉教授/尚絅学院大学付属幼稚園前園長/新医協顧問

<著書>
単著「さあ、子どもたちを真ん中に -自由・設定保育の枠を越えて-」 芽ばえ社、「ボクってすごい・ワタシってすごいと思える子を育てる」芽ばえ社、「かみつく子にはわけがある」大月書店、「五感ではぐくむ子どものこころ」かもがわ出版 他  >>2025年講演会

1.インクルーシブ保育を園生活の中で育み実現し成長していく子どもたち
 ~ 原発放射能汚染による避難児受け入れからの保育者の学びと成長 ~

高橋 栄 (認定こども園 さゆり幼稚園園長)

2.保育園での障がい児発達支援の取り組み
 〜保護者と共に子の育ちを支える

相馬 範子 (そうま のりこ)
子ども子育て支援複合施設「なかまの杜」代表
子どもの「生体の生活リズム」と発達に関する科学的理論を基に、発達の遅れや障害がある子どもたちの相談と講演活動などを行なう。

<著書>共著『乳幼児の発達と睡眠』(新医協2024年)ほか。

3.ふつう学級の就学支援相談会36 年
 〜子どもたちからの贈りもの~

佐藤 陽一 (自立援助ホーム南柏・ホーム長/ 千葉「障害児・者」の高校進学を実現させる会・元代表/共に育つ教育を進める千葉県連絡会/元教員)
<著書>いっしょがいいな障害の絵本⑤「やっちゃんがいく」(ポプラ社)

4.障害児教育の現状と課題と理想

有本 文彦 (特別支援学級非常勤教員)

11月30日(日)13:30~16:30  東京労働会館(地下会議室)+Zoom

薬をめぐる諸問題に迫る

 政府は、医療費高騰への対策として、OTC 類似薬の保険外しを「骨太の方針2025」に盛り込み2026 年実施をめざすとしました。日常医療で汎用される薬を保険から外し、国民皆保険制度はどうなってしまうのでしょうか。
 一方、5 年ごとに実施される薬機法改正が本年5月公布されました。医薬品の供給不足や創薬環境の変化等に対応し、国民に品質の確保された医薬品を適切に提供するためとしていますが、実際には、新薬の安易な承認と高薬価問題、いまだに続く数々の「薬不足」、市販薬ネット販売などの規制緩和と薬の乱用等々、問題は山積みです。
 果たしてこれまで、薬機法改正は医薬品の安全性や適正使用を推進してきたでしょうか。薬事制度の変遷から薬をめぐる諸問題を掘り下げ、安心、安全な医療のあり方、セルフメディケーション等について議論します。

基調講演

日本の医療における医薬品をめぐる諸問題
~その原因、背景と薬機法改正の変遷~

荒木 茂仁 (全国薬業労働者連絡会議事務局長)

1.医療費高騰の実態
 ― 新薬の高薬価と持続可能な医療のあり方

廣田 憲威 (薬剤師 大阪ファルマプラン)

2.OTC 類似薬の保険適用除外案は何をもたらすか!?

藤竿 伊知郎 (薬剤師)

3.薬の適正な使用をめぐって
― 販売制度の規制緩和、乱用と薬物依存、セルフメディケーションとは

金田 早苗 (薬剤師 みやぎ保健企画つばさ薬局)

日 時
2025年11月29日(土)、30(日)
会 場
東京労働会館 + オンラインZoom
参加費
新医協会員2500円/一般3500円/学生1000円
※2日間すべてに参加できます
定 員
会場 30~70名 / Zoom 90名

申込方法
メール(自動返信メールの内容に沿って)・FAXでお申込み後、下記口座等に参加費をお振込み下さい。
ご入金確認後に受講票(ID,PW)等をお送りいたします。
※申込は資料を郵送いたしますので講演日の1週間前で締め切らせていただきます。

※申込フォームでうまく申込ができない場合は、お手数おかけしますが、お名前などの必要事項を記載のうえ、「講演会申込」と直接メールをください>>kouen@shinikyo.com


郵便振替
00170-9-180753 新日本医師協会(通信欄に講演名・参加者名を明記)


【会場案内】
東京労働会館
(東京都豊島区南大塚2-33-10 東京労働会館 7階・地下会議室)
※Google MAPこちらから

 


【Zoom受講にあたりお願い】
私たちは、会場で対面して受講するような環境を目指しています。
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●本配信の録画・録音は元より、講義資料のコピー厳禁、SNS 等や第三者へのURL 転送、転記は固くお断りいたします。
●当日のキャンセル・不参加による払い戻しはいたしません。

※申込フォームでうまく申込ができない場合は、お手数おかけしますが、お名前などの必要事項を記載のうえ、「講演会申込」と直接メールをください>>kouen@shinikyo.com